国際有機農業映画祭2011上映作品

2011年11月19日(土)
上映 12:10
セヴァンの地球のなおし方
 2010年/フランス/115分 英語・仏語・日本語・日本語字幕
 監督:ジャン=ポール・ジョー
地球のなおし方1992年の地球サミットで、「どうやってなおすか分からないものを、壊し続けるのはやめて」と12歳のセヴァン・スズキは訴えた。19年後の今、母となるセヴァンは、「子どもの未来を守るために、生き方をかえなくては」と語り続ける。地球の悲鳴を肌で感じる日本、フランスの人々を紹介し、経済優先の社会に警鐘を鳴らす。
【お薦め】農薬、化学物質、乱開発、食品添加物、そして放射能……地球はいまも壊され続け、私たちの命も脅かされ続けており、環境は悪化の一途をたどっている。それでも活動をやめないセヴァンがいて、日本で、フランスで、健やかな命を育む「食」をつくり続ける人たちがいる。絶望しない、あきらめない、自分にできることをやり続ける。その先に希望が見えてくる。(中村易世)

上映 14:25
 2008年/韓国/45分 韓国語・日本語字幕
 ディレクター:イ・ウィホ 制作:EBS(韓国教育テレビ)
土土は人間はじめ、あらゆる生命体との関わりが深い。泥染めの服、土壁の家、薬……。蜂やツバメの巣も泥。バクテリヤの家さえも。土の中で命が生まれ、育ち、朽ちていく。土中の壮大なドラマをカメラが追い、ミクロの世界を視覚化してくれる。もちろん、菌が作る豊かな土壌についても展開する。

上映 15:30
祝の島
 2010年/日本/105分 日本語
 監督:纐纈あや 制作:ポレポレタイムス
祝の島瀬戸内海に浮かぶ山口県祝島。豊穣な海の恵みに支えられ、代々共同体としての結びつきが育まれてきた。1982年、島の4キロ先に原発建設計画が持ち上がる。「海と山さえあれば生きていける。わしらの代で海は売れん」と島人は反対を続ける。千年先の未来を思うとき、私たちは何を選ぶのか。祝島のいのちをつなぐ暮らしを描く。
【お薦め】近所の人と大きな炬燵を囲んで、島の夜は更けていく。決して話が弾むわけではない。その人たちが、中国電力と粘り強く対峙する。一歩も引かずに島を守り、海を守る。「日常」を暮らすことで、そこに生きた人々の思いを守る。私たちは日常を奪われた人々をこれ以上出してはならない。(笠原眞弓)

上映 17:35
ブッダの嘆き
 1999年/インド/55分 英語・日本語字幕
 原題:Ragi Kana Ko Bonga Buru - Buddha Weeps in Jadugoda (Buda chora em Jadugoda)
 監督:シュリ・プラカッシュ 制作:クリティカ&ブリサ
ブッダの嘆きブッダの嘆き - ウラン公害に立ち向かう先住民たち。ウラン鉱山からの放射能汚染により、深刻な被害を受ける人々。やがて、彼らは自らの生きる権利のため立ち上がる。この作品をきっかけに「ブッダの嘆き基金」が立ち上がり、現地の子どもたちのためのシェルターが建設されている。【第8回アース・ビジョン大賞】
【お薦め】有機農業でもっとも大切なのは、土づくりだと言います。お百姓さんは、時間と労力をかけて、豊かな土をつくっています。福島原発事故は、この土を汚しました。しかし原発は、たとえ事故を起こさななかったとしても、ウラン採掘の時点で土を汚しているのです。ブッダの生誕の地とされるジャドゥゴダのウラン公害を報告したこの作品は、原発と有機農業が相いれないものであることを教えてくれます。

上映 19:35
それでも種をまく
 2011年/日本/30分 日本語
 構成:小池菜採 制作:国際有機農業映画祭運営委員会
それでも種をまく有機農業は、生命のつながりの中にある。生産者と消費者のつながり、生産者と地域のつながり、そして、循環する生態系とのつながり。しかし、福島第一発事故とそれによる放射能汚染は、こうしたつながりを暴力的に断ち切った。その痛みの中で、なお「つながり」を取り戻すための種をまこうとしている人びとの姿を追う。
【お薦め】秩父の小高い山の上に住んでいる。近所に97歳のばあちゃんがいて、腰は90度に曲がっているが、足腰も耳も目も口も達者で、毎日畑にでて、結構広い土地で見事な野菜を作る。おすそ分けでよくもらうので、4月のある日、世間話をしながら一緒に草を取った。福島の話になり、あそこでは今、百姓はみんな田にも畑にも出られなくて、といった。しばらく黙ったばあちゃんは、ぽつりと「そんなことになったらおらあ死んじゃうな」とひとこと。百姓はたとえ地球が壊れても畑に出る。そんな想いを伝えたいと、映画祭運営委員みんなで、この映画をつくった。(大野和興)

2011年11月20日(日)
上映 10:05
攻撃にさらされる科学者
 2010年/ドイツ/ 60分 英語・日本語字幕
 原題:Scientist Under Attack
 監督:ベルトラム・フェアハーク 制作:デンクマル・フィルム
攻撃にさらされる科学者自分のキャリアを棒に振った二人の優れた科学者。彼らは、遺伝子組み換え作物の安全性に疑念を示した結果、バイオ産業からの様々な攻撃を受けてきた。遺伝子組み換え技術の研究のうち、バイオ産業から独立したものは、わずか5%にすぎない。科学研究の自由と私たちの民主主義は、今、危機に瀕している。
【お薦め】遺伝子組み換えの世界でまかり通っている許されない暴挙。それは、真の科学者なら告げる真実を公表した途端、これまでの成果を何一つ公に出来ない口封じされ、手足を縛られること。でも、今、各国の真の科学者は、そういった迫害にめげず、真実を伝え続けている。この勇敢な行為に心から応援の気持ちを抱く。どうすれば、人命や環境を大切にする行為が、暴挙を覆うことが出来るのか、考えさせられる作品。(入沢牧子)

上映 11:10
GMのワナ −農家から農家へ−
 2011年/英国/24分 英語・日本語字幕
 原題:Farmer to Farmer : The Truth About Gm Crops
 構成:ぺテ・スペラー 制作:ハート・プロダクション・フィルム
農家から農家へイギリスで有機農業を営み、1996 年の商業化以来GM栽培に警鐘を鳴らし続けるマイケル・ハートが、十数年たったアメリカの農家を訪れ、そこで目撃したアメリカの農家が抱えるGM栽培の現状とはどんなものか、雑草と作物に対するGMの影響や、費用対効果と環境への影響などGM作物栽培の実態を報告する。

上映 13:30
ダート! どろ に こころ の物語
 2009年/米国/80分 英語・日本語字幕
 原題:Dirt! 原作:ウィリアム・ローガン
 監督:ビル・ベネンソン、ジーン・ロソウ
 制作:コモン・グラウンド・メディア
ダート!洪水、干ばつ、気象変動、戦争さえ、人間がどのように土を扱ってきたかの結果であると原作者ウィリアム・B・ローガンは言う。『Dirt!』この驚くべき土の生命世界は、政治、経済、農業、環境、生態、健康、教育、芸術、すべてが網の目状に"土"と関わり合っていることを教える。それを理解することによって、私たちは私たちの壊してきたものを治すことができる。
【お薦め】邦画の名作『根の国』(荒井一作監督、本映画祭第一回上映作品)と同じテーマを、異なった視点から捉えた作品です。本映画祭冠の“国際”の所以=異なった視点とは、自然科学だけでなく社会科学と人間科学を網羅した「サイエンスの視点」です。またアメリカ映画ですが、最近亡くなられたマータイさんや、本映画祭昨年度上映『「緑の革命」光と影』に出演されていたヴァンダナ・シバさんも、貴重なメッセージをたくさん寄せられています。『根ノ国』に感動なされた方、必見です!(松本)

上映 15:10
暴走する生命
 2004年/ドイツ/60分 英語・日本語字幕
 原題:Life Running Out Of Control
 監督:ベルトラム・フェアハーク/ガブリエル・クリューバー
 制作:デンクマル・フィルム
暴走する生命2遺伝子工学の発達と共に1980年代半ばから、植物、動物はもとより人間の遺伝子までも操作する動きが加速してきた。巨大な多国籍企業は、あらゆる分野の遺伝子に注目し、遺伝子に特許を取り製品を開発してきた。種子や生命に特許をとる多国籍企業の「生命支配」に対して農民や消費者、市民は反撃する。
【お薦め】止まらぬGM技術、GM食品汚染。反対する人たちが、その芽を摘んでも摘んでも終わらない戦いの理由が、この映画を見てわかった気がします。GM開発者たちの執念の目、汗。そんな彼らを止められないなら、選ぶ側が気づくしかない。食品表示もあてにできないなら、私たちが人間本来の感覚を思い出さなくては。何が自然でなにが不自然か。誰がどこでどうやって作ったかわからないような食品を選ぶより、ホンモノ食材を探す旅に出たくなる、そんな映画です。(高岩絵里香)

上映 18:00
ミツバチからのメッセージ
 2010年/日本/57分 日本語
 構成・撮影・編集:岩崎充利
ミツバチからのメッセージミツバチの大量死について、ほとんどの日本の養蜂家たちは新農薬ネオニコチノイドが原因だと確信している。調べれば調べるほど恐ろしい農薬で、ミツバチが減少するだけでなく、農作物や果物などもできなくなってしまう。しかも虫だけでなく、人体、特に子どもにも大きな影響があることがわかってきた。
【お薦め】「ミツバチが絶滅したら、人類は4年で滅ぶ」とアインシュタインが予測したと言われている。2007年までに北半球の1/4のミツバチが消滅し、一向に増える様子はない。世界中の科学者は複合的な原因によるものとして手を打とうとしない。事実を知って、行動をおこす。大事なメッセージを聞けない人類であってはならない。(小野田)

上映 19:30
わたしの農業体験
 2009年/日本/16分 日本語
 プロデューサー:福間順子 脚本・演出:四宮鉄男 制作:桜映画社
私の農業体験山形県高畠町の渡部さん夫妻は、年間を通して様々な学生の農業体験を受け入れている。田植え、合鴨農法やかぼちゃの苗植え、草取りを体験する。昔ながらの循環型農業を学び、自然環境や食べ物の大切さを知る。渡部さん夫妻と学生達のインタビューを交えながら、四季を通した農業体験の様子を伝える。
【お薦め】ドキュメンタリー映画『いのち耕す人々』(2006年)を、農業体験に焦点をあて編集した小品。有機農業運動の一躍をになってきた渡部夫妻の「商品」ではなく、生命 を育む「食べ物」を作ることへの思いが、学生との交流をとおして語られる。土の匂いにふれた若者の笑みが、青空にすいこまれていくようで清々しい。農業を体験してみたい、あなた!にお薦めします。(相馬直美)



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